ランチェスター戦略をご存知でしょうか?
1914年に勃発した第一次世界大戦をきっかけに、イギリスのフレデリック・W・ランチェスター氏が生み出した戦略です。
その後、日本でビジネスに応用され、「弱者が強者に勝つ」の競争戦略のバイブルとして使われています。
ランチェスター戦略の定義によれば強者とは「市場シェア26.1%以上をもつ業界1位企業」を指します。
つまり自動車業界で言うと、トヨタが強者であり、あのホンダや日産ですら弱者という定義となります。
では、寺院における強者は存在するかというと、成田山新勝寺でも全国シェアで26.1%を超えることは有り得ません。この場合はエリアで区切って強者を定義します。
あなたの寺がある地域(例えば市町村など)におけるシェアはどれほどでしょうか?
この地域におけるシェアが26.1%を下回っている場合には、ランチェスター戦略でいう「弱者の戦略」を採用することをお勧めします。
それでは早速見ていきましょう!
①差別化
強者は弱者より圧倒的に体力があります。
弱者が安易にやりがちな戦略が価格競争を挑むことですが、これは強者に簡単に合わせられてしまい、体力のない弱者が負けることになります。
絶対に価格競争を挑んではいけません。
あなたの強みはなんでしょうか?
例えば寺院が歴史的な人物にゆかりがあるなら、その人物を前面的に押し出していく、境内に特徴的な建造物があるならそれをPRするなど。
もしくは、寺ヨガなど変わったイベントを開催してみてもいいでしょう。
強者が簡単に合わせてこない方法を取ることが大切です。
②ブルーオーシャンを狙う
強者がシェアを獲得している地域をよく観察しましょう。
よく見ると弱い地域が見えてきます。まずは局所的でいいのでシェア1位を狙うことです。
そこに仕掛けていきましょう。
例えば、カフェを始めようとした時、カフェの少ない駅で出店するのと、激戦区の吉祥寺で出店するのでは難易度が大きく変わってきます。
たまに同じコンビニが近くに出店していることがありますよね?
あれは敢えてそうしていて、その地域でのシェアを取ろうとしているのです。
まずは強者のいないブルーオーシャンを目指しましょう。
③顧客に接近する
強者はクチコミによる集客が成立するため、ある程度ホームページとMEO対策(WEBマップ検索対策)を整えておけば簡単に集客することができます。
もちろんそれが理想ですが、特に弱者のうちはやはり直接対面で会っていくことも重要です。
WEBマーケティングと併せて直接的な営業もしていきましょう。
顧客数が少ないことを逆手に取って手厚くサポートすることで、太い関係が成立します。
④一点集中
弱者は強者に比べて予算や人員に限りがあります。
ですから万遍なく予算や人員リソースを使ってはいけません。
強みに一点集中してください。
例えば、創業当時のドミノピザは注文から配達までの「スピード」という一点に特化してシェアを拡大していきました。
弱者のうちはとにかく特徴的な強みにリソースを全振りして、キャラ立ちさせていくことです。
⑤陽動
強者をよーく観察しましょう。
「あれ、意外とこの部分は弱いな?」という箇所が見えてくればそこを突いていきます。
例えば、地域1位の寺が全く若年層に訴求していなければ、20代〜30代に絞ってターゲティングしていくのも手です。
特に都会では実家を離れた若い世帯が多く、そこに訴求できれば一気にシェアを取れるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
ランチェスター戦略は1970年代から有効なマーケティング戦略として50年も使われ続けています。
これだけ長く使われているのは、やはり本質を突いた理論だから。
あなたもぜひランチェスター戦略を活用してシェアを拡大してくださいね!